味わい深いワインのように・・・今、聴きたいポール・ヤング
東郷かおる子/ kaoru Togo

 2019年7月・・・なんとなんとポール・ヤングがコリー・ハートとのジョイント・コンサートで再来日するというではないか! 彼の本格的な来日公演は‘90年以来、19年ぶりということになる。ファンとしては、まさに夢か現か小躍りしたい心境だ。

 と言うわけで考えてみた。私がポール・ヤングというシンガーを意識しだしたのは一体、いつ頃のことだろう。『何も言わないで』(No Parlez)と名付けられた、そのアルバムは1983年に発売された彼のソロ・デビュー作でそこに収録されていた「愛の放浪者」(Wherver I Lay My Hat~That’s My Home)を聴いた頃だったかもしれない。この曲がアメリカの偉大なソウル・シンガー、マーヴィン・ゲイの初期の曲(‘62)であることは後で知ったが、そのオリジナル盤を聴いたことがある人ならばポール・ヤング盤との、あまりのギャップに驚いたに違いない。この曲は、もともと浮気症のダメ男の歌でM・ゲイの、いかにもヘラヘラした(?)歌いっぷりがチャライ男ぶりを発揮して、なんとも言えない。ところがポール・ヤング盤では、それとは正反対の誠実で優しげな歌声に加え、思い切りスローなソウル・バラードに仕上げたアレンジの妙で、しっとりと聴かせる。もともと私は歌の上手いソウルっぽい白人男性シンガーが好みでもあった。

 そして・・来ましたねえ、アルバム「シークレット・オブ・アソシエション」(The Secret Of Association)(‘85)ですよ。このアルバムに収録され、後にP・ヤング最大のヒット曲となった「エヴリタイム・ユー・ゴー・アウェイ」を聴いた途端、彼の大ファンになってしまった。ホール&オーツの‘80年のアルバム『モダン・ヴォイス』(Voices)に収録されていたこの曲は、当時ホール&オーツ・ファンの間では隠れた名曲と言われていたが、地味なうえにシングルにもなっていない。もともとホール&オーツの大ファンだった私は、このメンフィス・ソウル風の血を吐くような失恋ソングを、甘いフィラデルフィア・ソウル風にポップに歌いあげたP・ヤング盤の歌唱力とアレンジ力に、すっかり魅了されてしまった。当時、ホール&オーツ・ファンの間で、このアレンジには賛否両論があったが、私はこの名曲に光を当ててくれたことに感謝したい。時は花の‘80年代。日本で洋楽が一番輝いてた時代のことだ。

 ‘80年代のポール・ヤングは、あのバンド・エイドの「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」に参加したり、それが発端となった世界規模のチャリティ・コンサート「ライヴ・エイド」(‘86)に参加したりと華やかに活動し、来日公演も‘85年以降、‘90年まで計4回実現している。当時、音楽雑誌「ミュージック・ライフ」の編集に携わっていた私は、彼に取材する機会が多々あった。その度に、ちょっとシャイで誠実なポールの物腰や、その圧倒的な歌の魅力に触れて「彼のファンで良かった」と何度も思わされた。新宿西口公園でフォト・セッションをしていた時だ。通りかかった4~5歳の男の子に歩み寄り、着ていたラグビーシャツを指差して「僕とお揃いだね」と語りかけた優しい笑顔を良く覚えてる。

 やがて時は流れ、私が改めてポール・ヤングが好きだと再認識したのは『The Single Collection:From Time To Time』(‘91)というアルバムでポール・キャラックとデュエットした「Don’t Dream It’s Over」を聴いた時だ。この曲のオリジナルはオーストラリアのバンド、クラウデッド・ハウスの‘85年の大ヒット・ナンバーであることは有名。P・キャラックは、私が昔から大好きなイギリスのシンガー・ソングライターで‘70年代にエースというバンドで、以降はスクイーズやマイク&ザ・メカニックス等にも在籍し、近年はエリック・クラプトンのバック・バンドでキーボードを担当し、来日もしているので御存知の方もいるだろう。この二人のポールのデュエットは芳醇なワインのようで本当に素晴らしい。機会があれば皆さんにも是非、聴いてもらいたい。

 そして2012年にはデヴィッド・フォスター&フレンズ公演のゲスト・シンガーとしてチャカ・カーンやピーター・セテラと共に久しぶりに来日し、元気な姿を見せてくれたのもうれしい驚きだった。2016年には10年ぶりのアルバム『Good Thing』を発売し、往年のソウル・ナンバーをカバーした、そのソウルフルな歌声で健在ぶりを聴かかせてくれた。現在の彼の歌には往年の甘さより、大人の男性らしい人生の機微を、より感じさせて味わい深い。

歌い続けてくれて、ありがとう。ひとりのポール・ヤング・ファンとして、そう思う。

東郷かおる子/ kaoru Togo(音楽評論家)

TICKETS
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東京公演

2019年7月2日(火)開場 18:00 / 開演 19:00

S席 : ¥12,500 (全席指定・税込) / A席 : ¥11,500 (全席指定・税込)

S席 : ¥12,500
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大阪公演

2019年7月3日(水)開場 18:00 / 開演 19:00

S席 : ¥12,500 (全席指定・税込) / A席 : ¥11,500 (全席指定・税込)

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A席 : ¥11,500
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コリー・ハート アンド ポール・ヤング
ライヴ・イン・ジャパン2019〜ヤング・アット・ハート〜

<東京公演>
主催:キョードー東京 / キョードー東京インターナショナル / フジテレビジョン / ぴあ
後援 : WOWOW / tvk / J-WAVE / TOKYO FM / InterFM897 / Fm yokohama 84.7 / NME JAPAN
協力:ワーナーミュージック・ジャパン / ユニバーサル・ミュージック / ソニーミュージック・ジャパン・インターナショナル / タワーレコード / Reflex

<大阪公演>
主催:キョードー関西 / キョードー東京 / キョードー東京インターナショナル / フジテレビジョン / ぴあ
後援:WOWOW / FM COCOLO / NME JAPAN
協力:ワーナーミュージック・ジャパン / ユニバーサル・ミュージック / ソニーミュージック・ジャパン・インターナショナル / タワーレコード / Reflex

招聘・企画制作:キョードー東京インターナショナル